平成27年4月16日〜17日 表千家同門会 東日本大震災復興祈念全国大会 宮城大会
今回の全国大会は東日本大震災復興祈念の大会でした。震災では16名の同門会の会員の方やご家族の方がお亡くなりになったそうです。追悼のために、初日の一番始めに東京エロクトロン仙台宮城(県民会館)で式典がとり行われました。
第一部のお家元宗匠ご奉仕によるの追悼献茶式では、会場に建立されました「東日本大震災慰霊の碑」にお茶が奉られました。第二部は祈念の式典でした。まずお家元宗匠のお言葉があり、来賓の青島復興副大臣、村井宮城県知事、奥山仙台市長とお言葉が続きました。皆様のお話は共通することも多かったように感じられました。被災地に今年も春がきたけれども、未だ心の春は訪れていない。23万人の方々が今も避難生活を送られている。一人一人に春が来るように、お茶を学ぶ私たちはお茶を持って心を一つにし、花が咲くのを一緒に待とう・・・そのようなメッセージが私の中に残りました。第三部はさとう宗幸さんの舞台でした。「故郷の話をしよう」「水仙歌」「青葉城恋歌」「花」「二度とない人生だから」の5曲を歌って下さいました。心にしみいるお話と歌でした。
【4月16日 一日目】
8時40分ホテル発→追悼式典(東京エレクトロン宮城)⇒松島で昼食⇒家元席 瑞巌寺 陽徳院(濃茶席)⇒支部席 松庵(薄茶席)⇒18時40分ホテル着
追悼式典の後は仙台市内からバスで40分ほど走り松島へ移動しました。
昼食後、家元席でお濃茶をいただきました。瑞巌寺は伊達政宗公の菩提寺で臨済宗のお寺です。国宝の庫裡(台所)があるなど由緒のあるお寺です。
支部席は松島の波打ち際にある松庵(しょうあん)でありました。宮城では方々で桜が咲いていました。椿、松や杉の翠と相まって美しかったです。私たち阪神間の桜は一気に咲いて桜の花一色にしてしまいますが、宮城の桜は周りの自然と優しく調和していました。
【4月17日 二日目】
7時40分ホテル発→松島観光→支部長席 塩竈神社(濃茶席)⇒昼食(仙台市内)⇒支部席 知事公館(薄茶席)⇒14時50分解散
仙台のホテルから松島へ移動し、遊覧船に乗って塩竈まで移動しました。陽気なガイドさんの案内が楽しかったです。松島は津波が2mだったそうで、松島の島々が天然の防波堤になり津波を防いだそうです。
支部長席の塩竈神社は奈良時代の創建、陸奥国一宮として重んじられてきたそうです。石段を随分と登ったところにお茶席がありましたが、着いた先はしだれ桜が咲いた春の景色でした。席の入り口にはご高齢の参加者のために新しく階段が設えてあったりとお心づくしに頭が下がりました。
最後のお席は松島を後にして仙台にある知事公館でした。現在迎賓館として使われている洋館でのお茶席でした。
「震災から4年が経過して町にはその影響は感じられなくなり・・・」という台詞がよくテレビで流れています。確かに訪れた仙台も松島も塩竈も一見そのように見受けられました。支部の席では、ご奉仕されていた方々の殆どの人が家族を亡くされていたり、家や道具が流されたりと何らかの被災をされているというお話しを伺いました。まだ震災後の只中にいらっしゃることを感じました。その中での今回のご準備は大変だったかと存じます。心より感謝申し上げます。
お茶席でいただいたお茶は本当に美味しくて今も後を引いています。
今大会の記念品はお家元と猶有斎若宗匠合作の扇子でした。「千年緑」のお言葉が書かれてありました。
改めて茶道を通じて繋がることの大切さを学んだ二日間でした。(宗裕)
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