令和5年4月15日のお稽古

釣釜がゆらゆらとたゆたう穏やかな春の日。お床には’千里同風’のお軸が掛かり、黒蝋梅が楚々と活けられていました。

本日は口の中いっぱいに芳しい味が広がるよもぎ団子を頰張りながら、広島大会のお話を伺いました。お干菓子も広島のお土産で燻製ナッツのキャラメルがけと落雁です。

尽きない話に気がそぞろになりながらも、今月のお道具である中次や継ぎ目のあるものの扱い等、ひとつひとつ再確認しながらのお稽古となりました。

             (宗奈)


令和5年5月の予定

5月は

6日(土)お稽古

20日(土)お稽古

27日(土)お稽古  

です。



令和5年4月6、7日第82回表千家同門会広島大会

4月6、7日第82回表千家同門会全国大会が広島の厳島(通称宮島)において開催され、先生と共に4名で参加致しました。
前夜からの花散らしの雨が降り続く中、1日目は老舗旅館岩惣での家元席でお濃茶、時間調整と観光兼ねて千畳閣見学後、厳島神社内朝座屋の支部席でお薄を頂きました。
夜は広島在住の方々と合流し、島内レストランにて夕食、大いに盛り上がり楽しいひとときを過ごしました。
2日目は厳島神社の重要文化財 能舞台にて、猶有斎宗匠による献茶式に参列、その後大願寺での支部参与席でお薄、大聖院支部長席でお濃茶、点心を頂いた後厳島神社祓殿の拝服席に参加し、記念品の御砂茶碗を頂いて解散となりました。
厳島は島自体が御神体であるため、本土と橋を架ける事ができないそうです。フェリーなどでの往来が必須である不便さが、海に浮かぶ寝殿造の社殿、大鳥居をはじめ島全体を益々神秘的に見せているのかもしれません。
広島は残念ながら原爆のために様々なお道具が失われたとの事ですが、島内で製作された物や宮島に因んだお道具が多く披露され、どのお席も細やかな心づくしのおもてなしに、携わった方々の矜持を感じる事ができました。
また、満潮の刻限に合わせ開始された献茶式は、家元宗匠の流れるようなお点前を真近で拝見する事ができました。観光客も一体となった一種独特な雰囲気で厳かに進行していく中、聞こえてくるのは寄せては返す波、軒から落ちる雨雫、時々響く鳥の声。2日間を通し特に心に強く刻まれる印象深いお式だったと感じます。
家元席でのお掛物 碌々斎筆「衆花盡處松千尺 群鳥喧時鶴一聲」
様々な花が咲き終えた後の松の緑は一際美しく、沢山の鳥が囀る中に鶴の声は際立って聴こえる、即ち、道を得た人は世間にあって殊更格別に見事である との意です。
この多難の時代において、お互い心穏やかに相手を認め受け入れ、相互に高め合って道を求め行く事の大切さを示しているのでしょう。
地元若手作家のお道具や、仕事熱心のあまり銅の虫「銅蟲」と呼ばれた職人を由来とする広島の伝統工芸品にも触れることのできた今大会は、私達茶の道を志す者も含め、それぞれの人が各々の道の中で、松であり鶴であることを求め続けながら、精進していくことの大切さを教えてくれたように思います。
ここに集うことのできた幸せと、携わった多くの方々に感謝し、晴やかな気持ちで神の島を後にしました。(宗仁)


令和5年4月1日のお稽古

4月に入りました。今年は開花も早く大好きな桜の見頃もあとわずか。
本日は桜尽くしのお稽古で春満載です。

床には「満城花月唱春燈」のお軸、花海棠の可愛らしい春色が
また花びらが散る様も味わい深いものです。
四方棚に釣り釜、桜の茶杓に中次と、桜皮の建水に満開の桜茶碗
と桜尽くしで嬉しくなります。
先生お手製の主菓子は桜餅。
葉の塩気がより甘さを引き立てて優しいお味でした。
お干菓子の雲平桜もモチモチと楽しい食感、こちらも先生手作りと伺い感激。
味覚や視覚が喜びで、春の音が聴こえるかのように高揚してきます。

(宗英)


令和5年3月25日のお稽古

3月最後のお稽古、すっかり春めいてまいりました。
お軸は 春を待つうたが書かれた彩墨画
お花は お庭のヒメウツギとしのぶ草
花台には先生お筆の『静』の文字が書かれてあります。
先生手作りのお主菓子は
桜花まんじゅう
見た目も愛らしく、美味しさは心を
ときめかせてくれます。
今日もお茶室にて
自然の移ろい、芸術、美術、食と
茶道から伝わる素晴らしさを感じる事ができました。(宗由)


令和5年3月18日の研究会

本日は研究会でした。
内容は
茶湯、茶碗飾、後炭、盆点でした。
どのようにしたら先輩方の最高峰のお点前を身につけることができるのか、見学だけでも、有難いことだと感謝して観察しておりました。
お床には利休の言葉、そしてお庭の花が生けられています。
先生お手製のお菓子は美味しいよもぎ餅でした。
よもぎの香りが口いっぱいに広がり上品なお味です。手の込んでいることが伝わってきました。
無いものより有るものに目をむけ、与えられた環境の中で精進していく大切さを学びました。


令和5年3月11日のお稽古

先日までの寒さが遠い日のような陽気になりました。
お床には「明歴々露堂々」とお庭の花
主菓子は先生お手製の蜜芋ようかん
お稽古の糸巻棚では色々な飾り方を勉強しました。
そして本日の特別稽古はお手紙
書の師匠でもある先生が、お茶の手紙の決まりから筆の運びまで、実際に巻き紙にお手本を書きながらご指導くださいました。
先生のお手紙はもはや芸術作品で私たちには手の届かない領域なのですが、また一つ課題と楽しみが増え、お茶の奥深さを感じました。(宗水)


令和5年4月の予定

4月は

1日(土)お稽古
15日(土)お稽古
22日(土)お稽古
29日(土)10時 研究会

です。


令和5年3月4日のお稽古

日一日と寒さが緩み、お茶室は穏やかな陽射しに包まれています。

月が改まり、本日は春の野を彷彿とさせる優しい色合いのお道具達が迎えてくれました。

お床にはお雛様に桃花春風舞の句が添えられたお軸が掛かり、雪柳の新芽と椿が花入に活けられています。

お稽古は爪紅の糸巻棚に先生作陶の蝶が描かれた水指、なんとも愛らしいフォルムの薄茶器の取り合わせで行われました。

食籠の蓋を開けると、目にも嬉しい紅白のお団子が。紅芋の餡が期待を裏切らない上品な甘さでした。お忙しい中でも心を込めて席を整え、お菓子をご準備くださる先生に感謝と一服のお茶が美味しい理由を再認識致しました。

春めく季節まであと少し。一足お先にお花見気分を味わさせていただいたひと時でした。

(宗奈)


令和5年2月18日のお稽古

ここ数日の厳しい寒さとはうって変わって、曇り空ではあるものの春の訪れを感じられるぐらい穏やかな陽気です。
 お茶室は春の句と今にも香りが漂ってきそうな梅が描かれたお軸が飾られ、お床には、先生ご考案のお茶碗を花器に見立て、溢れんばかりの実をつけた万両が生けられています。
 今日の主菓子は皆様からのリクエストでもある梅の花を模った中にふんわりと酒粕の香りがする白餡が包まれています。絶妙な味わいが口中に広がります。
 お干菓子入れは先生が城崎にてお求めになられた可愛いボンボリです。今では作られる方も少なくなってしまった貴重な麦わら細工だそうです。
 時期に合わせての設えはご苦労も多いかと。毎度お稽古が出来る事を有難いと思っております。

(宗佳)