去る9月22日、大徳寺大慈院で執り行われました法要に、先生と社中の皆様と参列して参りました。
菅田宗匠は、山中先生が長年師事された宗匠であり、私たちは孫弟子にあたります。深く敬愛されている菅田宗匠とお別れされた先生のお気持ちを思うと私たちも深い悲しみに沈みました。
私たちは幸いなことに、菅田宗匠がお茶席を持たれる時などに、お運びのお手伝いでお目にかかる機会をいただいてきました。
近いところでは、昨年秋の南宗寺献茶式の家元懸釜濃茶席、又今年のお正月の今宮神社献茶式の高麗橋吉兆本店でのお茶席のお手伝いの折にもお会いすることができました。
終了後は慰労会を催して下さり、厚かましくもご一緒させていただきました。お茶席では凛とされていてお話をさせていただくのも憚られましたが、慰労会ではご家族の皆様に囲まれて本当に楽しくお幸せそうで、ご家族を大切にされてきた家庭人でもあることが伺えました。
山中先生が常々菅田宗匠のお言葉として伝えてくださっていますのは、「おいしいお茶を点てなさい」というとてもシンプルな言葉です。簡単そうなことが一番難しい。お茶を点てるのもそうですね。相手の方の状態を想像しながら、どのようなお茶をお望みかを汲み取ってお点てする。一生かかって学んでいくことなのかもしれません。
菅田宗匠の講演会でお伺いして印象的だったのは「お茶事をしなさい」ということ。お茶事をしないと、本当の意味での茶道が分からないとおっしゃっておられました。そして「お茶席は天国のようなところ」ということ。おもてなしによってお客様を天国へお連れできるのですね。
今頃菅田宗匠は本当の天国で、どなたとお茶事を楽しまれていらっしゃるのかと勝手ながら思いを馳せております。
どうかこれからも未熟な私たちをお見守りくださればと存じます。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
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