平成26年3月29日 研究会と壮行会

桜が開花した始めての週末、お稽古場を飛び出し、大阪の藤田美術館へ行って参りました。

IMG_1195藤田美術館は、大阪城の北の端にある昭和29年に開館された美術館です。今年は開館60周年にあたるそうで、春は『開館60周年特別展序章』が開かれ、秋には特別展が開かれるそうです。学芸員さんの説明によりますと、序章の今回の展示では、藤田美術館にあることがあまり知られていないけれども、世間一般にはよく知られた作品が多く展示され、秋には藤田美術館といえばこれ、というものが展示されるとのことでした。藤田美術館美術館は元藤田男爵邸の蔵だったそうで、造りが重厚でクラシックです。空襲にも耐えたそうです。

今回の私たちの一番の目的は国宝の曜変天目茶碗にありました。土曜日には学芸員さんのガイドがあるとのことで、開館と同時に伺って一通りの展示を拝見してから、11時のガイドに参加いたしました。曜変天目茶碗は世界に3つしかなく、他には東京の青嘉堂文庫美術館と大徳寺龍光院と日本に全てがあり、いずれも国宝に指定されているそうです。ちなみに、大徳寺龍光院さんの展示が殆どなく、3つ全てを観ることは難しいことなのだそうです。

展示室は薄暗く、また展示ケースのスポットライトも強い光ではなく(他の展示物の鑑賞に影響するので)曜変具合が写真で見るほど分からなかったのですが、学芸員さんが強力な懐中電灯で照らして下さると、美しい瑠璃色が浮かび上がり、胸にすーっと感動が沸きあがりました。宇宙のような、という表現がされますが、正に星雲を目の前で見ているような心持ちになりました。昔の茶室は今よりずっと暗かったので、古の茶人達はこの瑠璃色は多分見られなかったそうです。拝見の時に窓を開けても光はさほど強くないし、外の光では反射が強すぎて色が浮かび上がらないものなのだそうです。

また、茶筅の跡が残っているそうですが、過去に所持した徳川家康、水戸徳川家・・・誰かはこの茶碗でお茶を飲まれたと考えられるそうです。

美術館の後は、高麗橋吉兆本店で、今年海外へ躍進される会員の壮行会が開かれました。その方のご家族とご友人もご一緒で和やかな席となりました。

その方は、料理の修行を長く積まれて来られました。吉兆の料理の奥深さをいろいろな角度から語って下さったので、深く料理を味わいつつ頂くことができました。その時間は、その方のこれまでの歩みと、こ れからの飛躍に思いを馳せるものともなりました。渡航後は時々、海外からの美味しいレポートをこのブログでも伝えて頂ければ嬉しいです。

吉兆本店は今宮戎の献茶祭のお茶席のお手伝いや点心席で何度かお伺いしていますが、お茶を志す者としては特別な場所だと感じます。今回はユネスコの無形文化遺産登録を記念して、お昼に松花堂弁当を出されていましたので、このような素敵なお祝いの席を設けることが出来ました。

広間のお床には、お店が大事にされている雛壇が飾られてて、その前で皆様と記念撮影をしお店を後にしました。心が一杯に満たされた、春の一日でした。(宗裕)


平成26年3月15日のお稽古

三寒四温140315床、寒さの中にも春を感じる日が多くなって参りました。

お軸は「水温む静かに思うことのあり」。いつもこの季節に掛けられるお軸です。

お花は雪桜と雪柳でした。雪桜は花が輪っかになっていて、ティアラみたいです。白い花と翠が清らかでした。

今日のお稽古の間に、お別れ、新しい道、出会い、様々なお話を伺いました。いろんな思いを床の間が受け止めてくれるようでした。

主菓子は先生手作りの関東風の桜餅。白あんには桜の花びらが練り込まれいました。あと半月もすれば桜が咲き始めますね140315お菓子

お干菓子は、先生が四国物産展で見つけて来られた、愛媛の干し蜜柑の”maru”。皮ごと干してあり、ころんと愛嬌のある姿と爽やかな甘さが印象的でした。和三盆糖は両口屋是清の二人静でした。

29日(土)は研究会です。藤田美術館へ国宝の曜変天目茶碗などを観に行ったあと、昼食もご一緒します。春に旅立つ方の壮行会です。いい時間となりますように。(宗裕)


平成26年3月8日のお稽古

東日写真 2本大震災から3年

春の門出にぐっとくる扇面のお軸

「侘数奇常住茶之湯肝要」。

どこにいても茶の心は忘れず、お稽古で学んでいることを活かせるよう、備えておかなくてはなりませんネ。
水仙のように凛と。写真 1

お菓子は、先生お手製のよもぎ餅。モチモチ食感に大徳寺納豆のアクセントで美味しくいただきました。(恭子)


平成26年3月1日のお稽古

IMG_11783月になりました。今月は糸巻二重棚爪紅のお稽古です。

今日は桃の節句の設えが用意されていました。幾つになってもこの時期は嬉しいものですね。

今日は5歳の女の子がお稽古に来られました。お茶室のひな祭りを楽しんだことでしょうね。

床の間はお内裏様とお雛様の絵のお軸、お花は桃と菜の花と麦の穂でした。

主菓子は雛だんご。白のお団子は柚子風味の餡入りで、黒のお団子は粒あん入IMG_1181りで黒五(黒豆、黒ごま、黒松の実、黒かりん、黒砂糖)という粉がまぶしてあり、香ばしく美味しかったです。串からいただくと、美味しさ倍増。童心にかえります。

お干菓子IMG_1177は男雛女雛の焼き印のついた鶴屋吉信の麩焼き煎餅「右近左近」、くるみの甘煮、和三盆糖でした。(宗裕)

 


平成26年2月23日 研究会

140223床今回の研究会はではお炭の次ぎ方を「廻り炭」に準じて学びました。

普通に炭をつぐときは、右のつぎかた、左のつぎかた、と頭でじっくりと考えてからやるところなのですが、、、

①炉の中の炭を前の人がついだ逆の順番から炭斗に戻す

②前の人がついだ炭のかっこうとは違う炭をつぐ

上記二つのことを順番に二廻りしました。文字通り皆さんで頭を抱えてしまいました。火箸の先はまるで言うことを聞いてくれなくて、炭は炉の中で転げ回り灰だらけになってしま140223お菓子う始末。

私たちが炭をついでいる間、下火は灰の下に埋められていましたが、とても時間がかかったので、消えてしまっていました。

四苦八苦しましたが、とても楽しい頭脳ゲームのようでもあります。

4月の研究会では正式に廻り炭を行う予定です。しっかりと復習して参りましょう!(宗裕)

 


平成26年5月の稽古日と研究会

【稽古日】

3日(土)※4月分

10日(土)

17日(土)

24日(土)

【研究会】

18日(日)10時集合

25日(日)10時集合に変更となりました。


平成26年4月の稽古日と研究会

【稽古日】

19日(土)

26日(土)

4月は2回のみ。残り1回は5月3日(土)に振り替えられます。

【研究会】

20日(日)10時集合

内容:廻り炭 濃茶 その他


平成26年2月14日のお稽古

オリン140215床ピックが始まり、寝不足の毎日が続いています。今日は早朝にフィギュアスケート羽生選手の金メダルが決まり、お稽古場もその話題で盛り上がりました。

それにしても毎日寒い日が続きます。今朝の阪神間も積雪が心配されましたが、先週ほどのことはなく、前回は来られなかった方も元気に参加できました。140215臘梅

本日の床の間には雪景色のお軸がかかっていました。懐かしい日本の原風景がありました。

お花は臘梅と白菊でした。臘梅といば黄色の花を町中でよく見かけますが、先生のお宅にある臘梅は原種に近いものだそうです。蕾は鮮やかな黄色ですが、花が開くと白と濃い紫の花びらになるのが不思議です。お花たちからは、もう少ししたら暖かくなるよ、と声をかけられているような気がします。

お菓子は先生お手製の求肥の中に粒あんがくるまれシナモンがのったお餅でした。京都のおたべにもこの組み合わせはありますが
、細長く丸まった愛らしい形は先生のオリジナル。形が違うと味わいも大きく変わりますし、なんとい140215お菓子っても作りたては最高です。お干菓子は福岡の太閤道という羊羹、金沢のえくぼ落雁、ショウガがしっかり効いたおせんべいでした。

次回は2月23日(日)の研究会です。内容は炭点前と炭の扱い、長緒です。朝10時に集合です。(宗裕)


平成26年3月の予定

【3月の予定】

1日(土)

8日(土)

15日(土)

【研究会の予定】

29日(土)

藤田美術館へ国宝の曜変天目茶碗を観に行きます。美術館の前に昼食もご一緒します。詳しくはお稽古場で。


平成26年2月8日のお稽古

立春がす140208床ぎましたが、最近はとても冷える日が続いています。前夜は阪神間の平地にも雪が積もりました。山あいに住む会員は残念ながら雪に阻まれてお稽古をお休みとなりました。六甲山は白く雪化粧です。

さて、本日の床の間は春らしく設えてありました。掛け軸は紅梅の絵。華やかな彩りの扇子には「開一花五葉」と書かれてあります。

本日のお菓子は、道明寺と粒あんと大徳寺納豆のシンプルな組み合わせ。雪景色が見事に表現されてありました。お萩のような親しみやすい感じもあり、それぞれの素材が絶妙にマッチしていて洗練された感じもありました。ほっこりと温めてあったのが、なによりのおもてなしでした。お干菓子は和三盆のおちょぼ口と麩焼き煎餅、振り出しには金平糖でした。140208お菓子

今日は1歳の赤ちゃんが初めてお稽古に参加しました。最初は誰の顔を見ても大泣き。 少ししたら笑顔でお煎餅を食べ始めてごきげん。お母さんがお点前を始めたらもうどうしても止まらない大泣き。お稽古を終えたお母さんにだっこしてもらったらすーっと泣き止み、気がつけば私たちも一緒に一喜一憂。また一緒にお稽古をしましょうね。(宗裕)