平成25年11月23日のお稽古

121013床  紅葉美し季節を迎えました。街路樹や六甲山が美しく色づいています。

本日のお軸は澄んだ色合いが美しい鳥の絵のお軸。色とりどりの紅葉が目に優しいですね。

131123花お花は紀伊上臈杜鵑草(きいじょうろうほととぎす)と椿でした。紀伊上臈杜鵑草は育てるのがとても難しいお花なのだそうです。何年も花をつけないこともあるとか。貴重な姿をアップにしてみました。葉は縦の筋が入っているのが特徴です。花びらの内側にホトトギスらしい模様がついています。

お菓子は餅の131123お菓子生地に餡がくるまれていました。紅葉の焼き印にときめきました。お干菓子は金沢の森八のえくぼ落雁とえび煎餅でした。(宗裕)


平成25年11月3日 夜咄茶事

IMG_0970 IMG_0966   11月3日   小雨の降る中、夜咄のお茶事が行われました。
夕方も薄暗くなってから皆と顔を会わせるという非日常に始まり、昼間とは違った静かさの中、 前茶→炭点前→懐石。そして、中立ち→濃茶→続き薄と流れるように進んでいきました。

お抹茶に親しんでいらっしゃる方々の中で、夜咄に呼ばれたことのある方はどの位いらっしゃるでしょう。
夜の静かさは昼のそれとは違い、重さDSCF5378を持ち合わせます。
いつもは陽の光によって照らされる和室は、この時 和蝋燭DSCF5327の柔らかな光を吸収するように受け止める一方で、大きな影を落とすのです。
この時ほど、お茶室が美しく見える瞬間は他にないのではないかと個人的に思えてなりません。
視界が薄れるからこそ研ぎ澄まされる五感。
お料理の香り、主菓子の食感、茶を点てる音…
亭主IMG_1036、半東共に素晴らしい運びでした。

今回初めて夜咄のお茶事に呼ばれた方も多く、正客の大切な役目でもある和蝋燭の扱いに大変興味を持たれていました。
殊更9歳のお客様は、すっかり蝋燭の炎に魅せられて、「蝋燭の灰を落す作業、僕やりたい!」、「あ~!火が消えちゃいそうだよ!!」と最後まで気になってしょうがない様子でした。参加されたみなさんにとって忘れられない時間になったのだと思います。(宗香)

IMG_1002

 

初めての夜咄はいつものお茶事と違って、平安時代みたいで楽しかったです。蝋燭の優しい光がとても心に残りました。次はもう少し蝋燭を触りたいです。(晃輝)


平成26年1月の予定

【平成26年1月の予定】

通常のお稽古はお休みです。

初釜の予定 平成26年1月12日(日) 席入り11時より

※ご出席の方は先生までご連絡ください。


平成25年11月16日のお稽古

131116床あっという間に11月も半ばです。今日は素晴らしい秋晴れ。陽の光がお茶室に差し込んで、ほっこりと幸せな光にあふれていました。気持ちのいいお稽古日和でした。

本日のお軸は、「秋晴れや空にはたえず遠白き 雲の生れて風ある日なり 牧水のうた」。

お花は水仙でした。背の高い美人さんですね。

131116主菓子お菓子は、栗の渋皮煮に紅芋餅がくるまれていました。もちもちのお餅にほっくりとした栗が絶妙です。

131116干菓子美味しいお菓子に、美味しいお茶。お茶室で過ごす時間は、一週間の疲れをゆったりと癒してくれました。(宗裕)

 

 


平成25年11月9日のお稽古

夜咄から間もなくでしたので、余韻に浸りながらのお稽古でした。

お稽古の始まる前に、夜咄で使いました、照明器具の蝋を落とす作業を早く来られた方々で行ってくださいました。

131109軸今月のお稽古は、夜咄に引き続き好文棚です。お棚の菱形と同じく、水差しも菱形。浮き出た模様に呉須がのせられていてます。濃淡のあるとてもきれいなブルーが印象的です。

本日のお軸は「秋月照湖上」。最近夜に空を見上げると、明るい月が目に入りはっとさせられます。

お花は菊が二種、ホトトギス、寒桜、紫色の秋の狗尾草。

131109お菓子お菓子は栗餡に粉なしの生地がくるまれていました。花弁に見立てられているのは柚子の粉でさわやかに後を引きます。栗餡はつぶつぶ感があって素朴な味わいです。残り福でもう一つ頂き、有り難きシアワセでした。

お干菓子は、イチョウの雲平と金沢坂尾甘露堂の麩焼きせんべい「加賀の茶室」でした。振り出しには餡子玉が入っていました。(宗裕)

 


夜咄茶事の集合時間

【夜咄茶事の集合時間】

11月3日(祝)17時に集合してください。

日没を待って席入りとなります。

お気をつけてお越し下さい。

以上

 


平成25年10月19日のお稽古

131019床 台風26号が今週半ばに近畿近くを通過しました。伊豆大島では大きな被害が出ています。次の台風も迫っていて、心配な週末を迎えています。

本日のお軸は松と海が描かれています。眺めていると先生から以前に伺ったお話を思い出していました。先生の子供時代、芦屋から甲子園まで海沿いに松林がずっと続いていたそうです。先生はその間を行き来しながら遊ばれていたそうです。映画「火垂るの墓」にも昭和20年頃の香櫨園浜の松林の風景が出てきます。見た事はありませんが、懐かしいような気持ちになりました。

お花はりんどう、ホトトギス、水引き、すすきでした。

131019お菓子主菓子は先生手作りの枝豆餡がこなしに包まれ、大徳寺納豆が乗っていました。お口の中でそれぞれの持ち味が一体となって、体がぞくぞくっ、とするほど美味しかったです。

普段は遅目の時間に来られる学生さんが、実験が出来なかったからと珍しく早くに来られて、久しぶりにお茶を点ててくれました。お茶碗の中に丸いものが浮かぶ景色が出来ていて美しい、と話していたところ、先生がお軸やお花と組み合わせて「松林、すすきの野、そして海の上に月が出ているのね」と・・・途端にお茶室が秋の夜の海辺に一変しました。ドラえもんの「どこでもドア」のようにどこへでも行ける。そんな瞬間が大好きです。(宗裕)

 


平成25年10月12日のお稽古

10 床の間月とは思えない暑い日が続きましたが、ようやく秋らしい陽気となりました。本日のお軸は「花すすき風のもつれは風がとく」。
ススキが月夜の風に吹かれ、静かにそよいでいる様子に秋の風情を感じます。
お花は、ホトトギスと紅白の水引。
主菓子は栗蒸し羊羹、干菓子は群馬県高崎の芳房堂「五色甘納豆」、奄美大島「ころころたんかん」

今日はお天気が良かったので、炉開きに備えて灰の準備をしました。
お稽古の合間に順番に庭に出て、灰をふるいにかけ、しっとりした灰が仕上がお菓子りました。
土遊びのようで楽しい作業でした。灰はこのように手間と時間を掛けて作られるのですね。

お点前だけではなく、お道具などの準備についても、これから少しずつ学んでいきたいと思います。(み)

平成25年10月5日のお稽古

IMG_092410月に入りました。

今月のお稽古は長板風炉一つ飾りです。写真は建水を運び出したところです。

掛け軸は「秋声満樹間」。IMG_0922秋の虫たちの声が聞こえるような気持ちになりました。

お花は彼岸花、秋明菊、藤袴、桔梗、珍至梅、矢筈葦のススキでした。ススキは黄金色に開いています。日本画をみているような錯覚に陥るほど美しかったです。

IMG_0921主菓子は枝豆餡のお餅でした。お干菓子は下呂温泉彩菓堂の落雁と奄美大島銘菓の「ころころたんかん」のスライスでした。(宗裕)

 


菅田健三宗匠 忌明法要に参列して

 去る9月22日、大徳寺大慈院で執り行われました法要に、先生と社中の皆様と参列して参りました。

 菅田宗匠は、山中先生が長年師事された宗匠であり、私たちは孫弟子にあたります。深く敬愛されている菅田宗匠とお別れされた先生のお気持ちを思うと私たちも深い悲しみに沈みました。

 私たちは幸いなことに、菅田宗匠がお茶席を持たれる時などに、お運びのお手伝いでお目にかかる機会をいただいてきました。

 近いところでは、昨年秋の南宗寺献茶式の家元懸釜濃茶席、又今年のお正月の今宮神社献茶式の高麗橋吉兆本店でのお茶席のお手伝いの折にもお会いすることができました。

 終了後は慰労会を催して下さり、厚かましくもご一緒させていただきました。お茶席では凛とされていてお話をさせていただくのも憚られましたが、慰労会ではご家族の皆様に囲まれて本当に楽しくお幸せそうで、ご家族を大切にされてきた家庭人でもあることが伺えました。

 山中先生が常々菅田宗匠のお言葉として伝えてくださっていますのは、「おいしいお茶を点てなさい」130922大徳寺というとてもシンプルな言葉です。簡単そうなことが一番難しい。お茶を点てるのもそうですね。相手の方の状態を想像しながら、どのようなお茶をお望みかを汲み取ってお点てする。一生かかって学んでいくことなのかもしれません。

 菅田宗匠の講演会でお伺いして印象的だったのは「お茶事をしなさい」ということ。お茶事をしないと、本当の意味での茶道が分からないとおっしゃっておられました。そして「お茶席は天国のようなところ」ということ。おもてなしによってお客様を天国へお連れできるのですね。

 今頃菅田宗匠は本当の天国で、どなたとお茶事を楽しまれていらっしゃるのかと勝手ながら思いを馳せております。

 どうかこれからも未熟な私たちをお見守りくださればと存じます。

 心よりご冥福をお祈り申し上げます。