平成27年12月19日 お稽古納め

IMG_2335いよいよ今年最後のお稽古となりました。土曜日の朝は起床した時からお稽古に向けて準備をして家を出るのがいつものことですが、今日を境にしばらくこの習慣がお休みになってしまうのが信じられないような気持ちでした。もしかしたら間違いなのではないか…などと都合よく思いながらお茶室に入ると、いつもの場所で太陽の光を背にいつもの笑顔で迎えてくださる山中先生と優しい先輩方がいらっしゃいました。

お床には毎年その年最後のお稽古で飾られる「先今年無事目出度千秋楽」のお軸がやはり今日が今年最後のお稽古ですよ、と教えてくれたのでした。

毎回楽しみなお手製のIMG_2334お菓子は今日も驚かされました。お菓子器の蓋を開けてみると、寒中の紅梅を思わせるぎゅうひの風呂敷に優しく包まれた「季節のご挨拶」がお行儀よく並んでいました。まるで先生から私たち一人一人へ下さった贈り物のようでした。中には甘いようかん、お餅が入っていて今年一年分の出来事や想いがぎっしりと詰まっているような大満足の内容で した。召し上がる皆様の表情がそのことをよく物語っていました。この楽しみもしばらくお預けなのが寂しい限りです。

11時過ぎ、炉からお釜が外され、代わりにお鍋が乗せられました。お鍋の中は真っ黒です。しかし漆塗りのような艶やかさがあります。これは毎年恒例の「ごまぜんざい」です。漆のような艶はゴマから出ている油なのだそうです。先生お手ずからゴマをすりつぶしてお作りになったもので、一人一人に振舞ってくださいました。

冷ましながら口に運ぶと、まず鼻腔をごまの香りを含んだ甘い香りが刺激し、口の中ではよく知っているゴマ特有の食感と味なのに、確かにそれは「ぜんざい」としか言えないものでした。お料理の脇役のゴマにこのような楽しみ方があったのIMG_2343だと初めて知りました。皆さんと車座になって、おかわりをしながら頂きました。

いつにも増して山中先生と皆様の笑顔あふれる楽しい一時で、本年のお稽古はめでたく千秋楽となりました。(松風)

 


平成27年12月12日のお稽古

IMG_133912月とは思えないほどの暖かい日が続いていますね。本日も前回に引き続き、水差運び点前のお稽古です。

お軸は、「花は越後の雪椿」。表装も凝っていて、とても素敵でした。お花は椿でした。

主菓子は、先生お手製の紅芋餅。形が椿を思わせ、さらに真ん中から少し覗く白あんが雪のようIMG_1347で・・・今日の お軸の言葉が思い起こされ、より一層美味しく感じました。お干菓子は、干し柿とみちのくせんべいでした。

来週はお稽古納めです。そして、毎年恒例のごまぜんざいを頂きます。(真)


平成27年12月5日のお稽古

IMG_2332師走に入りました。今週の雨で冬が本格的に到来したようです。

床の間は冬山の景色が広がっていました。嵯峨菊と黒臘梅の照り葉に日だまりのような温かみが感じられました。

今月のお稽古は水差運び点前です。改めて道具を運び出す位置、自身の点前の時の位置などを確認してからお点前を始めると、いつもより落ち着いた心持ちで点前を進めることができ、点前座からの景色も違ってみえるようでした。IMG_2330

お菓子は、ふっくらとした白い椿を思わせるお饅頭でした。栗の渋皮煮に栗餡が包まれて、その上に道明寺と氷餅がふんわりふんわりと被さっていました。IMG_2328お干菓子は和三盆と麩焼き煎餅でした。

今年のお稽古も残すところあと2回となりました。ごまぜんざいの19日は、無事に皆さまと迎えられますことを楽しみにしております。(宗裕)

 


平成27年11月28日研究会

IMG_2315本日は小春日和 お家元のお軸、凛とした美しい水仙を引き立てる花入れを前に、軸飾り、盆香合、台飾り、唐物、お薄等ご指導いただきました。 IMG_2321

主菓子は先生お手製の栗の焼き菓子、香ばしさと栗の甘さが絶妙です。広島のもみじ饅頭やお干菓子は仙台のみちのくせんべい、信州の真味糖、、と全国のお菓子がいただけるのも有難いことです。 熱々の心に染みいるお茶まで、大変美味しくいただきました。

錦秋のお茶碗には皆さんうっとりとされていました。 研究会も優しい日の光に包まれた穏やかな雰囲気の中、充実した内容でまたも満足な時間を過ごさせていただきました。本日の学びは、まIMG_2325た次回やお茶会で活かしていきたいと存じます。

次回は早、師走。ますます寒くなりますので、体調に気をつけてまいりましょう。 宗芳

 


平成28年1月の予定

【1月の稽古の予定】

通常の稽古は休みです。

初釜 1月10日(日)11時席入り

※ご出席の方は先生までご連絡ください。

以上


平成27年12月の予定

【12月の予定】

5日(土)

12日(土)

19日(土)

※19日は恒例のごまぜんざいの日です。お昼前にご参集ください。ご出席の場合は先生までご連絡ください。

以上


平成27年11月21日のお稽古

image深まる錦秋の中お稽古に向かいました。 お茶室では照葉の絵のお軸が掛けられ、落葉たちが まるでそのお軸から抜け出て舞い散ったかのように、 床に置かれていました。流れるような立体的な室礼!素敵です。

沖縄の焼き物の花入れにはツワブキが綺麗な黄色の花を咲かせています。 これは葉が斑入りで趣高いツワブキです。

主菓子は、先生お手製の安納芋の羊羹。食籠の蓋をあけると錦秋の気配が。 鮮やかに色づいたイチョウの葉がはらはらと散り重なっているように見えました。 お味写真も、安納芋特有のしっとりとした濃い蜜味のそれはそれは美味しいものでした。

今日のお棚(高麗卓)について先生にお尋ねしたところ、 塗りについても(真塗り、かき合わせ塗りなど)お話を伺うことができました。 今日も充実したお稽古でした。 (わ)


平成27年11月14日のお稽古

IMG_2312秋も一段と深まり炭の温もりに癒される季節になってまいりました。

本日のお軸は「秋月照湖上」。

お床は、源氏物語千年記にあたる2008年に先生が制作された、光源氏のよんだ歌が書かれている花入れに、お庭の草花が雅やかに取り揃えられていましたIMG_2314

主菓子は安納芋餡が紅芋のお餅に包まれており、他では味わう事ができないような先生お手製の逸品でした。

炉のお稽古に変わり炭に火がうつり湯が沸く音、松風はとても風情があります。

季節は巡っていると感じます。(宗由)


平成27年11月7日のお稽古

IMG_2306開の茶事が終わり、今日から炉のお稽古です。気持ちを新たにお稽古へ向かいました。

床の間には、秋深まる山に紅葉した木が描かれた彩墨画がかかっていました。六甲山に、ちょうど同じような景色を見てきたところでした。お花はうずくまる花入に白と黄の菊と雪柳の照葉が生けられてありました。

IMG_2308主菓子は黄金色の栗きんとんの生地の中に渋皮煮がくるまれていました。しっとりとほのかに甘くて・・・口福でした。お干菓子は安芸の宮島の杓文字形の煎餅と、雲平と蓮の実でした。(宗裕)


平成27年11月1日 炉開の茶事

IMG_2221数日前まで雨の予報でお天気が心配されましたが、当日はよいお天気と陽気に恵まれ、茶の湯の正月、炉開の茶事が開かれました。
お茶事は、席入、炭点前、主菓子、中立、濃茶、懐石、薄茶、の順に進みました。
床の間には、茶壺と、吉田尭文筆「峯高紅葉深」のお軸、そして今年8月の研究会の折にIMG_2239先生が作られた茶杓が飾られていました。「雲の峰」と御銘がつけられた、大胆でありながら繊細で優美な景色の茶杓に、皆さん感心をしておられました。
炭点前に続いて、静寂な茶室のなか心地よい松風を聴きながら、先IMG_2240生お手製の主菓子をいただきました。
御銘は「美のり月」。美しい色合いの練切に黒豆餡が包まれ、黒豆のほくほくとしたお味と上品な甘味が口いっぱいに広がり、何とも言えない美味しさでした。
中立の後に席入りをすると、床の間には大きな瓢箪の花入に秋の風情のお花が生けられ、紅葉した雪柳に深まりゆく秋を感じました。IMG_2232
深みのある美味しい濃茶をいただいたあとは、秋の食材がふんだんに盛り込まれた、先生の趣向を凝らした懐石が続き、最後に薄茶を、先生のお手製の雲平の銀杏と蓮の実の干菓子とともにいただきましたIMG_2293。本日お越しになった京都、広島のお客様、そして今春の全国大会に寄せて、天橋立、厳島神社、松島の蒔絵が施された三景棗が用意されていました。

ご準備はいかに大変だったことか、また、お茶事も滞りなくすすみIMG_2296、 先生、ご亭主役、半東役の皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。
「一座建立」。茶の湯の学びの深遠さを改めて感じ入りました。気持ちを新たに精進してまいりたいとおもいます。 (と)