平成27年12月19日 お稽古納め
12月 2015
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お床には毎年その年最後のお稽古で飾られる「先今年無事目出度千秋楽」のお軸がやはり今日が今年最後のお稽古ですよ、と教えてくれたのでした。
毎回楽しみなお手製のお菓子は今日も驚かされました。お菓子器の蓋を開けてみると、寒中の紅梅を思わせるぎゅうひの風呂敷に優しく包まれた「季節のご挨拶」がお行儀よく並んでいました。まるで先生から私たち一人一人へ下さった贈り物のようでした。中には甘いようかん、お餅が入っていて今年一年分の出来事や想いがぎっしりと詰まっているような大満足の内容で した。召し上がる皆様の表情がそのことをよく物語っていました。この楽しみもしばらくお預けなのが寂しい限りです。
11時過ぎ、炉からお釜が外され、代わりにお鍋が乗せられました。お鍋の中は真っ黒です。しかし漆塗りのような艶やかさがあります。これは毎年恒例の「ごまぜんざい」です。漆のような艶はゴマから出ている油なのだそうです。先生お手ずからゴマをすりつぶしてお作りになったもので、一人一人に振舞ってくださいました。
冷ましながら口に運ぶと、まず鼻腔をごまの香りを含んだ甘い香りが刺激し、口の中ではよく知っているゴマ特有の食感と味なのに、確かにそれは「ぜんざい」としか言えないものでした。お料理の脇役のゴマにこのような楽しみ方があったのだと初めて知りました。皆さんと車座になって、おかわりをしながら頂きました。
いつにも増して山中先生と皆様の笑顔あふれる楽しい一時で、本年のお稽古はめでたく千秋楽となりました。(松風)
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