平成27年11月1日 炉開の茶事
数日前まで雨の予報でお天気が心配されましたが、当日はよいお天気と陽気に恵まれ、茶の湯の正月、炉開の茶事が開かれました。
お茶事は、席入、炭点前、主菓子、中立、濃茶、懐石、薄茶、の順に進みました。
床の間には、茶壺と、吉田尭文筆「峯高紅葉深」のお軸、そして今年8月の研究会の折に先生が作られた茶杓が飾られていました。「雲の峰」と御銘がつけられた、大胆でありながら繊細で優美な景色の茶杓に、皆さん感心をしておられました。
炭点前に続いて、静寂な茶室のなか心地よい松風を聴きながら、先生お手製の主菓子をいただきました。
御銘は「美のり月」。美しい色合いの練切に黒豆餡が包まれ、黒豆のほくほくとしたお味と上品な甘味が口いっぱいに広がり、何とも言えない美味しさでした。
中立の後に席入りをすると、床の間には大きな瓢箪の花入に秋の風情のお花が生けられ、紅葉した雪柳に深まりゆく秋を感じました。
深みのある美味しい濃茶をいただいたあとは、秋の食材がふんだんに盛り込まれた、先生の趣向を凝らした懐石が続き、最後に薄茶を、先生のお手製の雲平の銀杏と蓮の実の干菓子とともにいただきました。本日お越しになった京都、広島のお客様、そして今春の全国大会に寄せて、天橋立、厳島神社、松島の蒔絵が施された三景棗が用意されていました。
ご準備はいかに大変だったことか、また、お茶事も滞りなくすすみ、 先生、ご亭主役、半東役の皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。
「一座建立」。茶の湯の学びの深遠さを改めて感じ入りました。気持ちを新たに精進してまいりたいとおもいます。 (と)